困りごとから引く
症状から入るための対応表である。カテゴリではなく、いま起きていることから引く。
同じ症状に複数のパターンが並ぶことがある。その場合は上から順に、構造で解けるものから試すとよい。以下の表も、複数のパターンが並ぶ行はこの順に並べてある。
まだ症状が出ていない — これから環境を整える — なら、利用ガイドが順路を示す。
コンテキスト管理 — 会話が長くなると壊れる
| 困りごと | パターン |
|---|---|
| 長い会話の途中で、最初に出した指示や制約が効かなくなる | 常駐物の棚卸し/セッション境界の設計 |
| 毎回同じ前提を説明し直している | 命令の階層化と適用範囲の限定 |
| 関係ないファイルの作法まで持ち出してくる | 命令の階層化と適用範囲の限定 |
| ルールを書いたのに守られない。全部が同じ重さに見えている | ルールを拘束力で階層化する |
| どこで会話を切り、何を次に持ち越すか判断できない | セッション境界の設計 |
| 応答が遅い、あるいは費用が想定より膨らむ | 前置きを壊さない(キャッシュ)/思考深度をタスクに合わせる |
| 常駐の命令ファイルが伸び続けている。減らす基準が無い | 常駐物の棚卸し |
| 簡単な作業に過剰に考え込む。逆に難しい作業を雑に片付ける | 思考深度をタスクに合わせる |
委譲と並列化 — 一人で抱えると溢れる
| 困りごと | パターン |
|---|---|
| 調べ物をさせたら、その調査の残骸で本題がぼやけた | 読み捨ての隔離 |
| 大量に読ませたいが、読んだものを主の会話に残したくない | 読み捨ての隔離 |
| 独立した複数の視点でレビューさせたい | 読み捨ての隔離 |
| 委譲したら費用が跳ね上がった。どこまで委譲してよいか分からない | 委譲の損益分岐 |
| 並列に走らせるべきか、自分でやらせるべきか決められない | 委譲の損益分岐 |
検証と信頼 — 出力を信じてよいか分からない
| 困りごと | パターン |
|---|---|
| モデルが「直した」と言うが直っていない | 機械ゲートと意味ゲートの分離/検証対象の明示 |
| lint やテストで判定できることを、モデルの目視に任せてしまっている | 機械ゲートと意味ゲートの分離 |
| 数値の集計や計算がときどき狂う | 計算をコードに落とす(LLM に電卓をやらせない) |
| 同じ失敗を何度も繰り返す | 失敗の制度記憶化 |
| ルールを書き足しているのに効かない。命令ファイルだけが太っていく | 失敗の制度記憶化 |
| 人が見ていない経路(自動実行・無人 PR)が怖い | 無人経路にこそ強いゲート |
| 「気をつけて」と指示したのに危険な操作をした | 権限を構造で縛る |
| 何を基準に正しさを確かめればよいかを、モデルが分かっていない | 検証対象の明示 |
人間の介在点 — どこで人が入るか
| 困りごと | パターン |
|---|---|
| 走り出してから方向が違うと気づく。手戻りが大きい | 計画の先制検証 |
| 面ごとに命令の優先順位が違い、どれが効いているか分からない | 命令の正本を一つにする |
| 同じ内容を複数のファイルに書いていて、食い違ってきた | 命令の正本を一つにする |
| 大きな成果物が一度に出てきて、レビューしきれない | 成果物の差分レビューと段階的採用 |
| 全部受け入れるか全部捨てるかの二択になってしまう | 成果物の差分レビューと段階的採用 |
このカタログの対象外
エージェントを作るための技術アーキテクチャ(ReAct・CodeAct・Agentic RAG など)は扱わない。理由と、その用途に合う先行カタログへの誘導はトップページにある。